update:2019/06/22
世界の手芸として、刺しゅうやキルトなどを紹介してきましたが、今回はレース。
レースの伝統といえば、皆さんは何をイメージしますか?宮廷の貴婦人たちのドレスを彩る豪華なレース?中には、エリザベス1世のような豪華なレースの襞襟を思い浮かべる?
こんなものもありますね。修道院でひっそりと編まれるレース、熟練の女性たちの指。。。
ヨーロッパの貴族階級にとって、男女ともに欠かせないファッションアイテムだったレースは、初期の頃は、教会の祭壇幕や僧侶の法服に使われたと言われています。
そして、その歴史を物語るようなイメージを持っているのが、マルタ島の伝統「ゴゾ(マルタ)・レース」でしょう。
地中海に浮かぶマルタ島は、十字軍の時代のマルタ騎士団の土地として知られるところ。そのマルタ騎士団が持ち込んだのが、ゴゾ・レースのの始まりと言われています。有力な王侯貴族の子息(次男以降)で構成される宗教騎士団ですから、さぞかしオシャレにもうるさかったのではないかと思われます。
ちなみに、ゴゾ・レースの名は、ゴゾ島(マルタを構成する島の一つ)を中心に受け継がれてきたレースだから。
レースもいろいろありますが、このレースは非常に細い糸で編まれており、手あみののは現在ではかなり高価。
編み方は、針ではなく、糸を巻いた木製のボビンを交互に織っていく手法で、複雑な模様を編みだそうとすると、ボビンの数も多く、それを動かす順番も実に複雑。
まさに、高度な技術なのですから、仕方ありません。
ちなみに、土産として手軽な機械織りのものもありますから、そちらも非常に人気がありますよ。手軽なものなら、コースターやしおり、大きなものなら、テーブルクロスや日傘なども人気です。
ゴゾ・レースの日傘。。。想像しただけでうっとりですね。